ISO情報

内部監査の実践(その36)

「4M変更管理標準KPT105」を対象に品質管理課に対してナラティブ内部監査を行っています。

(被監査者)第6条には、変更をしようとする各課が行わなければならない一連のことが決められています。
最初に、各課は自部門の業務で変更すると影響の大きい業務とは何かを検討しなければなりません。そして、検討した結果を関係部門に通知することになっています。
品質管理課にはすべての課から通知を頂くことになっています。
これが「4M変更管理標準KPT105」が制定されたとき(10年前)に受理した通知です。
(内部監査員に資料を手渡す)

営業課からは、契約管理標準、注文書管理標準、OEM 客先支給品管理標準、製品取扱標準、製品保管標準、サービス・パーツ管理標準についての変更が対象であると通知がきています。

設計課からは、仕様制定標準、設計業務標準、製品企画標準、設計試作標準、設計審査標準、設計計画標準、試作評価標準、設計通知管理標準についての変更が対象であると通知がきています。

技術課からは、量産試作標準、量産認定標準、製品・部品コード管理標準、加工図面管理標準、機械設備管理標準、計測器類選定標準、製品・部品包装標準に関する変更が通知されています。

購買課からは、購買要求書発行標準、外注契約書標準、取引先管理標準、取引先評価標準、購入製品特別採用処理標準に関する変更についてです。

製造課からは、工程品質管理標準、作業指示書制定標準、機械設備日常点検標準、工程異常処理標準、4M変動管理標準に関する変更についてです。

品質管理課、これは私たちのところですが、多くあって、品質マニュアル標準、品質システム見直し標準、品質記録管理標準、品質標準制定標準、部品受入検査標準、工程内検査標準、製品出荷検査標準、外注品質監査標準、検査規程制定標準、QC工程表標準、統計的手法活用標準、ロット管理標準、製品監査標準、計測器類管理標準、計測器類校正標準、製品識別管理標準、製品特別採用処理標準、市場クレーム処理標準、重要品質問題処理標準、内部品質監査標準、サービス標準、QCサークル活動推進標準、品質計画標準、信頼性検査基準、受入検査基準、出荷検査基準に関する変更について関係する課に通知すると決めてあります。

このように多くの標準に関する変更が対象となっており、この通知により登録された業務に変更があるときには、事前に影響のある課に連絡をすることが決められ、10年前から実施しています。
ただ、時々通知が来なくて後から問題になったことがあります。今回内部監査でこのことを聞かれるという事(事前連絡)でしたので、過去5年の間に通知が無くて問題になった件数を纏めてみました。
(内部監査員に資料を手渡す)

見ていただいているように全部で48件あります。5年間ですから平均して年10件くらいあるということになります。

(内部監査者)どうもありがとうございました。
ナラティブ内部監査は、監査を受ける方(被監査者)に適合性を証明していただく方法を一つの試みとしています。内部監査員が不適合を探すのではなく、仕事をしている方がルール通りに仕事を行っていることを確認、説明していくという方法です。今回は初めての試みでしたが、趣旨をご理解していただいており、誠にありがとうございます。

(被監査者) 私も最初は戸惑いましたが、行っていくうちに内部監査ではこのやり方も効果的だと感じています。もう少し「被監査者証明方式」監査の狙いと実施の仕方を説明してください。

(つづく)