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内部監査の実践(その39)

「4M変更管理標準KPT105」を対象に品質管理課に対してナラティブ内部監査を行っています。

<前回まで>

(内部監査員)次のステップは組織を改善するという明確な目標をもって内部監査をするというところにあります。そのためには、我々と被監査者とは仲良くならないといけないのです。仲良くなるとは俗な言い方ですが、仕事をしている人の気持ちで内部監査をするべきであると思っています。
そのためのポイントは次の通りです。

  • シンプルに質問する。
  • よく聴く。
  • 一緒に見る。
  • 一緒に交換する(アイディア)。
  • 一緒に考える。
  • 一緒に評価する。
  • 一緒に分析する。
  • 一緒に物語る。
  • 一緒に意見を言う。
  • 一緒に検討する。

(今回ここから)

  • (被監査者)ありがとうございます。われわれ被監査者と内部監査員の方とが仲良くなるという意味がよくわかりました。
    目的を共有すれば仲間意識が生まれますから、その結果、お互いがお互いの言うことをよく聴く、一緒に検討するという事ができるようになると思います。
    ただし、一つ質問ですが、個人の目的と組織の目的は違いますよね。
  • (内部監査員)ううん、違うとも言えますが、同じとも言えますね。ここは大変重要なところです。個人それぞれによりますが、多くの人の目的は多分会社の目的と違うと思います。個人の目的は繰り返しになりますが「自分の成長」であったり、「やりがい感の獲得」であったり、「収入の確保」であったりだと思います。個人はその目的を達成できるならば、極端に言えば、会社はどうなっても構わないのという考えもあり得ます。
    しかし、よく考えてみると会社が成長しないと、個人の目的も達成できませんよね。
    会社が倒産してしまったら、個人も大きな影響を受けることになります。
  • (被監査者)組織についても同じことが言えるのでしょうね。個人がやる気を無くしたり、その結果退社したりする、会社はそれなりの影響を受けます。
  • (内部監査員)そうなんです、個人と組織はお互いが持ちつ持たれつなのです。そのことを横山哲夫先生は「個人と組織の共生」と呼んでいました。
    この「個人と組織の共生」を理解すると、内部監査の目的を多様に考えることが出来ます。
    ナラティブ内部監査は被監査者が自分の仕事の「適合性を証明する」ことで、不適合にじぶんで気づき個人と組織もお互いが成長していくことを思い描いています。
    前回説明した「ナラティブ内部監査のポイント」の2つはこのような背景で理解していただけるとありがたく思います。
    • ①内部監査員と被監査者の共同作業
    • ②問題解決

(つづく)