よくある質問

試験所認定制度について

1.試験所認定制度とは

試験所認定制度とは、試験所・校正機関が発行する試験報告書・校正証明書の信頼性を確保するために、国際規格ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に基づいて、権威ある認定機関が審査を行い、当該基準を満たす試験所・校正機関が特定分野の試験・校正を行う能力をもつことを認定する制度です。
国際的なルールに基づく試験所認定制度は、欧州、米国、豪州を中心に世界中の様々な分野で進められており、各国の認定機関が国際試験所認定協力機構(ILAC)、アジア太平洋試験所認定協力機構(APLAC)の相互承認協定(MRA)へ参加することにより、輸出国で発行された試験報告書が、輸出相手国でも認められるという、いわゆるOne-Stop-Testingの進展が期待されています。

また、2005年10月にスタートした新JISマーク表示制度でも、製品の試験を行う事業者の試験所に対するISO/IEC 17025
(JIS Q 17025)の要求事項への適合の要求があり、試験所認定制度に対する関心がますます高まっています。

ISO 17025 試験所認定制度

2.わが国における試験所認定機関

日本においても1995年のWTO/TBT協定の理念に基づいて自由貿易の障害となる非関税障壁を撤廃し、国際的な整合性をはかるため、1996年にISO/IECガイド25に基づく試験所認定制度がスタートしました。現在日本には次の4つの試験所認定機関があり、それぞれ認定プログラムを実施しています。

  • (1)財団法人適合性認定協会(JAB)
      民間の非営利団体による認定機関で、1997年以降、電気試験、電磁両立性試験、化学試験、機械試験、一般校正などの分野の認定を行っています。1999年からは、校正分野の認定も開始しました。1998年にAPLACの、2000年にILACの相互承認メンバーとして承認されています。
  • (2)独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 認定センター(IA Japan)
      NITEの組織変更により2002年にIA Japanが設立されました。公的機関として、民間が十分対応できない試験所・校正機関の認定を行っています。次の認定プログラムを実施しており、このうち、JCSS、JNLA、ASNITEについてはILAC、APLACの相互承認協定への参加が認められています。
    • JCSS: 計量法に基づく校正事業者登録制度
    • JNLA: 工業標準化法に基づく、製品試験を実施する試験事業者を対象とする登録制度。2004年6月の工業標準化法改正により、すべての鉱工業品(加工技術)に係るJISの試験方法が対象となり、従来の認定制度から登録制度に変更された。
    • ASNITE: 国家計量標準研究所(NMI)の認定、標準物質生産者の認定、JNLA以外の試験所の認定など、いくつかのサブプログラムがある。
    • MLAP: ダイオキシン等の極微量物質の計量証明の信頼性向上を目的とした特定計量証明事業者認定制度
  • (3)(株)電磁環境試験所認定センター(VLAC)
      電磁両立性(EMC)分野を主体とする試験所認定機関です。

3.品質マネジメントシステム適合性評価(認証)と試験所適合性評価(認定)との違い

品質マネジメントシステムの審査では、組織のマネジメントシステムについて審査しますが、製品の技術的な信頼度の評価は行いません。従って第三者審査登録(認証)を受けても、それはマネジメントシステムが審査されただけで、製品・サービスの信頼性を必ずしも確認したわけではないので、製品・サービスに第三者審査登録のマークを表示することは禁じられています。
一方、試験所の適合性認定は、品質マネジメントシステムだけでなく、特定の試験の技術事項にまでわたって審査が行われ、要員、設備、環境などの技術的能力が評価されます。従って、認定を受けた試験所・校正機関は、その製品とも言える試験報告書や校正証明書に試験所認定機関のロゴマークを使用することができます。ただし、試験所の認定は試験所という機関全般に関して与えられるものではなく、その試験所の行う特定の試験だけに与えられるものです。

4.ISO/IEC 17025(JIS Q 17025)規格

試験所の適合性評価に適用されるガイドとして1978年にISO/IECガイド25が発行されました。その後ISO 9000sと整合した第3版を経て、1999年に試験所認定審査における適合性評価基準としてISO/IEC 17025:1999が発行されました。
これには、試験所・校正機関の品質システムに含まれる試験・校正サービスの範囲に該当するISO 9001:1994及びISO 9002:1994の要求事項がすべて取りこまれました。

規格の構成は、「管理上の要求事項」と「技術的要求事項」の2つの主な要素から成っており、試験所が次のことを証明しようと望む場合に満たさなければならない要求事項を含んでいます。

  • 1)品質システムの健全な運営
  • 2)技術的に適格であること
  • 3)技術的に妥当な結果を出す能力があること

2005年5月にISO/IEC 17025:2005が、同年12月には、これを翻訳したJIS Q 17025:2005が発行されました。改訂版では、規格の構成において大きな変更はなく、いくつかの要求事項を追加することにより、ISO 9001:2000に対応するよう配慮されています。

5.不確かさの推定について

試験所認定制度は、試験所・校正機関が発行する試験報告書や校正証明書のデータの信頼性の確保を目的としていますので、ISO/IEC 17025規格(5.4.6項)には、“測定の不確かさの推定を実施する手順をもち、適用する”という要求事項があります。
“不確かさ”とは、測定値のばらつきの大きさを表す概念で、測定結果の信頼性の新しい指標として導入されています。
“不確かさ”をどう表わすかに関しては、ISOから「測定における不確かさの表現のガイド」が出版されています。

6.試験所認定と他の品質マネジメントシステム規格との関連

試験所認定に関しては、自動車生産及び関連サービス部品組織の品質マネジメントシステム規格であるISO/TS 16949に、試験所要求事項(7.6.3項)があります。同項では、内部試験所についてはJIS Q 17025に認定されていることまでは要求されていませんが、試験所の手順、要員の力量、試験の実施能力等について規定し実施することが要求されています。また、外部試験所については、顧客に受け入れられることができる証拠があるか、又はISO/IEC又は同等の基準に認定されていること、という要求があります。

7.ISO/IEC 17025の関連研修コース

テクノファでは、ISO/IEC 17025の試験所認定に関する研修コースとして、次の2つのコースを開催しております。

「ISO/IEC 17025概説コース」は、ISO/IEC 17025とはどのようなものかを理解して頂くための1日コースで、試験所認定制度、ISO/IEC17025規格の解説、不確かさの評価など、講義を中心としたコースです。
また、「ISO/IEC 17025内部監査員2日間コース」は、認定試験所(又は認定申請を検討中の試験所)における内部監査員の養成を目的として、規格の解説、試験所品質マニュアルのポイントのほか、試験所内部監査の進め方等を講義とケーススタディで実施する内容となっています。
ISO/IE C17025試験所認定を受けることを計画中の組織の方々のほか、この規格に関心をおもちの方々のご参加をお待ちしています。