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品質マニュアルの作り方(第26回)

平林良人「品質マニュアルの作り方」(1993年)アーカイブ 第26回

条項4.7 “購入者による支給品”
客先から支給される物品の確認,保管,維持について記述する。

条項4.8 “製品の識別及びトレーサビリティ”
製品のすべての段階における現品の識別および完成した現品の識別について記述する。

条項4.9 “工程管理”

  • 4.9.1 “一般”
    作業指示書,設備仕様書,品質計画書,出来映え基準などについて記述する。
  • 4.9.2 “特殊工程”
    特殊工程の存在の有無と,存在する場合にはその工程管理について記述する。

条項4.10 “検査及び試験”

  • 4.10.1 “購入検査及び試験“
    受入物品の検査及び試験について記述する。
  • 4.10.2 “工程内の検査及び試験”
    工程内での最終検査,試験について記述する。
  • 4.10.3 “最終検査及び試験”
    工程内の最終検査,試験について記述する。
  • 4.10.4 “検査及び試験“
    受入検査,工程内検査,最終検査の記録について記述する。

条項4.11 “検査,測定及び試験の装置”
計測器類の購入,検収,登録,廃却および台帳の管理, トレーサビリティ,校正,点検,取扱い,試験用ソフトウェアなどについて記述する。

条項4.12 “検査及び試験の状態”
物品の良・不良の識別について,製造の全段階において,どのように行うかを記述する。検査責任者を明確にしておく。

条項4.13 “不適合品の管理”

  • 4.13.1 “不適合品の再審及び処置”
    不適合品の処置と再検査,記録について記述する。

条項4.14 “是正処置”
再発防止,潜在的原因の検出,報告書の分析,記録などについて記述する。社内に業務改善提案制度があれば,それについても記述する。

条項4.15 “取扱い,保管,包装及び引渡し“

  • 4.15.1 “一般”
    製品,部品の取扱い,保管,包装,出荷に関する基準書について記述する。
  • 4.15.2 “取扱い“
    取扱いによる損傷,劣化の防止について記述する。
  • 4.15.3 “保管”
    保管の方法,保管中のチェック,搬入・搬出管理について記述する。
  • 4.15.4 “包装”
    包装,保存処理,表示の方法について記述する。
  • 4.15.5“引渡し”
    顧客引渡しまでの品質保護について記述する。

条項4.16 “品質記録”
品質記録の識別,収集,見出し付け,ファイリング,保管,維持および廃棄について記述する。品質記録の保管期間を明確にしておく。

条項4.17 “内部品質監査”
包括的内部品質監査の進め方について,資格者,実施回数,フォローアップ,是正処置について記述する。

条項4.18 “教育・訓練”
教育・訓練計画,資格制度などについて記述する。

条項4.19 “付帯サービス”
付帯サービスとして具体的に実施している事項を記述する。

条項4.20 “統計的手法”
社内で活用されている統計的手法を記述する。QCサークル活動などについても記述し,4.14項の“是正処置” とともに,製造現場や事務職場で行われているボトムアップ活動について記述する。
〔例〕 QCサークル活動の理念,そこで活用される統計的手法,たとえばパレート図,ヒストグラム,X-R管理図,層別,特性要因図,散布図,グラフ。
以上,編集のポイントについて述べてきたが,これらに加えて,表紙,配布先,改訂歴,会社概要,対象範囲,付録についても,そのポイントを簡単に説明しておく。

  • 1) 表紙:タイトル(品質保証マニュアル),会社名,事業所名,管理番号,発行日,版数,発行者,発行先,コピー番号,管理/非管理区分(管理コピーとは改廃管理をしていくコピー,非管理コピーとは配布後の管理をしないコピー)などを記載する。用紙はA4判を推奨する。
  • 2) 目次:項目とページNo.を記載する。
  • 3) 配布先:内・外部配布先,管理コピーの保持部門を記載する。
  • 4) 改訂歴:品質保証マニュアルの改訂の手順と改訂歴を記載する。
  • 5) 会社概要:会社概要の記述。また品質保証マニュアルが対象としている製品名,工程名を記す。
  • 6) 付録:このマニュアル内に引用された標準書一覧を付録として記載する。