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品質マニュアルの作り方(第35回)

平林良人「品質マニュアルの作り方」(1993年)アーカイブ 第35回

4.16 品質記録

  • ☆品質記録の識別,収集,見出し付け,ファイリング,保管,維持および廃棄について記述する。
  • 1. 技術部は,品質記録の識別のために,製品の機種名称,機種コードー覧表を制定する。
  • 2. 品質保証部および品質記録保管部門は,次の目的で品質記録を収集する。
    • ① 必要品質の維持と向上のため。
    • ② 品質システムが標準通りに運用されている証拠として。
    • ③ トレーサビリティの確保のため。
    • ④ 品質システムの見直しのため。
  • 3. 品質記録には,その内容を代表する見出しを付け,ファイリングをし,必要とする場合には即座に取り出せるようにしておく。
  • 4. 品質記録保管部門は,品質記録を,劣化または損傷,紛失を防ぐに適した場所に保管する。
  • 5. 品質記録保管部門は,品質記録管理標準(KQM105)に基づいて品質記録を廃棄する。
  • 6. 品質記録をコンピュータ・ファイル上に保管する場合は,必ずバックアップ用のコピーをとる。
  • ☆品質記録の保管期間を明確にしておく。品質記録は次の期間,保管する。
  • 1. 基本的保管期間は3年とする。
  • 2. OEM客先との契約がある場合は,その定められた期間。
  • 3. 法規上の定めがある場合は,その定められた期間。
  • ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
  •  品質記録管理標準      KQM 105
     製品・部品コード管理標準  KTM 104

4.17 内部品質監査

  • ☆包括的内部品質監査の進め力について,資格者,実施回数,是正処置,フォローアップなどについて記述する。
  • 1. 品質保証部は,品質活動が計画された取決めに従っているかどうかを検証するために,文書化した内部品質監査を実施する。
  • 2. 監査実施者は「B事業部内部品質監査者認定コース」の履修者とする。
  • 3. 品質システム全体を対象とした定期的内部品質監査を年2回実施する。
  • 4. 品質保証部は,監査した結果を報告書にまとめ,被監査部門の部長に報告する。不適合事項が存在する場合には是正処置の依頼をする。
  • 5. 被監査部門の部長は,自部門の内部品質監査の不適合の是正処置を実行して,品質保証部長に是正処置報告書を提出する。
  • 6. 品質保証部長は,是正処置が確実に実施されたかどうかを確認するためにフォローアップ監査を実施する。
  • 7. 品質保証部長は,内部品質監査の結果を,年2回,品質システム見直し会議に報告して,品質システムの改善に結び付ける。
  • 8. 内部品質監査に関する報告書,会議録などは,品質記録として品質保証部が3年間,保管する。
  • ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
  •  内部品質監査標準  KQM 123

4.18 教育・訓陳

  • ☆教育・訓練計画,資格制度などについて記述する。
  • 1. B事業部の教育・訓練は人事部が主管し,教育訓練標準(KHR 103)に従って実施される。
  • 2. B事業部は,教育・訓練終了者には教育訓練標準(KHR103)に基づき教育・訓練終了証書を発行する。
  • 3. 以下の特定業務に従事する者には,業務を主管する部門が教育・訓陳を実施し,資格を授与する。
    • ① 特殊工程従事者     製造部
    • ② 最終検査・出荷検査員  品質保証部
    • ③ 計測器校正員      本社品質保証室
    • ④ フォークリフト運転者  技術部
    • ⑤ 内部品質監査者     生産管理部
  • 4. 人事部は,教育・訓陳に関する記録を,従業員が在籍している期間,保管する。
  • ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
  •  教育訓陳標準  KHR 103

4.19 付帯サービス

  • ☆付帯サービスについて,具体的に実施している事項を記述する。
  • 1. OEM客先と契約において規定されている付帯サービスがある場合には,その契約に従う。
  • 2. 本社営業部は,顧客に対するサービス業務を主管し,B事業部はそのサポートとして,次の業務を行う。
    • ① サービス・パーツの供給    生産管理部
    • ② 市場クレームへの対応     品質保証部
    • ③ サービス・マニュアルの発行  品質保証部
    • ④ サービス・ツールの供給    品質保証部
    • ⑤ サービス教育の実施      品質保証部
  • ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
  •  サービス標準        KQM 124
     サービス・パーツ管理標準  KPC 107

4.20 統計的手法

  • ☆社内で活用されている統計的手法について記述する。
  • B事業部では下記において統計的手法を活用している。
    • ① 購入検査と出荷検査 統計的抜取検査法
    • ② 不適合データの処理 不良率の推定,検定
    • ③ 設計,技術における評価,試験 信頼性技法(故障率)
    • ④ 製造工程 グラフ,管理図
  • ☆QCサークル活動について記述する。
  •  B事業部ではQCサークル活動を積極的に推進しており,QCサークル活動においては,問題の解決に統計的手法を活用している。品質保証部がこの活動の推進事務局である。
  • ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
  •  QCサークル活動推進標準  KQM 125