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災害への強靭化施策 | ISO情報テクノファ

ISO審査員及びISO内部監査員に経産省の白書を参考にした製造業における有用な情報をお届けします。

■災害等からの復旧・復興、強靭化施策

(東日本大震災に係るものづくり基盤技術振興対策)
(1)震災からの再建・再生に向けた資金繰り支援
①被災中小企業への資金繰り支援( 政策金融)
東日本大震災により被害を受けた中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、(株)日本政策金融公庫・(株)商工組合中央金庫において、「東日本大震災復興特別貸付」を引き続き実施した((株)商工組合中央金庫は、令和2年3月で新規受付を終了)。また、原発事故に係る警戒区域等の公示の際に当該区域内に事業所を有していた中小企業者等や、地震・津波により事業所等が全壊・流失した中小企業者等に対しては、県の財団法人等を通じ、貸付金利を実質無利子化する措置を引き続き実施した。
②被災中小企業への資金繰り支援( 信用保証)
東日本大震災により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、既存の一般保証や災害関係保証、セーフティネット保証とは別枠の保証制度である「東日本大震災復興緊急保証」を引き続き実施した。
③二重債務問題対策
2011 年度に東日本大震災の被災各県の中小企業再生支援協議会の体制を拡充する形で設置した、総合相談窓口である「産業復興相談センター」と、債権買取等を行う「産業復興機構」による中小事業者等の事業再生支援を引き続き実施した。また、2011 年11 月に「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法(平成23 年法律第113 号)」が成立し、同法に基づき設立された(株)東日本大震災事業者再生支援機構においても金融機関等が有する債権の買取等を通じた支援を行っている。(震災支援機構の支援決定期間は2021 年3月31 日をもって満了したが、これまで支援決定した事業者の再生に引き続き全力で取り組んでいる。)

(2)工場等の復旧への支援
① 仮設工場、仮設店舗等整備事業等(総額371億円) 
東日本大震災により甚大な被害を受けた被災中小企業等が早期に事業を再開するための支援として、(独)中小企業基盤整備機構が仮設工場、仮設店舗等を整備し、被災市町村を通じて原則無償で貸し出す事業を実施した。これまで、6県53 市町村において、648案件が竣工している(2022 年3月末時点)。また、2014 年度から仮設施設の有効活用等を行う被災市町村に対する助成支援を実施し、これまでに147 件の仮設施設の解体・撤去や移設に要する経費を助成している(2022 年3月末時点)。
②中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金(64億28百万円)
東日本大震災に係る被災地域の復旧及び復興を促進するため、複数の中小企業等から構成されるグループが復興事業計画を作成し、地域経済や雇用維持に重要な役割を果たすものとして県から認定を受けた場合に、計画実施に必要な施設・設備の復旧に掛かる費用に対して、国が2分の1、県が4分の1の補助を実施し、被災された中小企業等のグループなどの施設の復旧等に対する支援を行った。
③原子力災害からの復興支援
ア.福島県における医療関連拠点整備
福島県における地域産業の活性化につなげる取組として、福島県立医科大学を中心とした創薬拠点の整備等を行う事業、大型動物を用いた安全性評価や「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35 年法律第145 号)」の許認可等に関するコンサルティング等の機能、企業や医療機関が活用できるトレーニングセンター設備を備えた拠点「ふくしま医療機器開発支援センター」を整備する事業について、原子力災害等からの復興等のために設置された福島県原子力災害等復興基金を通じて支援を行った。

(令和元年台風第19号に係るものづくり基盤技術振興対策)
(1)災害からの再建・再生に向けた資金繰り支援
①令和元年台風第19 号等特別貸付(財政投融資)
(株)日本政策金融公庫が、令和元年台風第19号等(令和元年台風第19号、第20号及び第21号をいう。)により被害を受けた中小企業・小規模事業者への資金繰りを支援。「令和元年台風第19 号等特別貸付」の運用開始後、2022 年3月末までの貸付実績は、約1,600 件、約246 億円となった。
②信用保証による資金繰り対策
令和元年台風第19 号等により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県の一部地域において、既存の一般保証とは別枠の災害関係保証を引き続き実施した。
③ 政府関係金融機関の運営に必要な経費(マル経融資の貸 付限度額・金利引下げ措置の拡充【財政投融資】)
令和元年台風第19 号等により直接又は間接的に被害を受けた小規模事業者に対し、無担保・無保証人で利用できる(株)日本政策金融公庫によるマル経融資の貸付限度の拡充や金利の引下げを実施した(令和元年台風第19 号等型の2022 年1月末時点の実績は、204 件、9.9 億円。

(令和2年7月豪雨に係るものづくり基盤技術振興対策)
(1)災害からの再建・再生に向けた資金繰り支援
①令和2年7月豪雨特別貸付(財政投融資)
(株)日本政策金融公庫が、令和2年7月豪雨により被害を受けた中小企業・小規模事業者への資金繰りを支援。「令和2年7月豪雨特別貸付」の運用開始後、2022 年3月末までの貸付実績は、約230 件、約28億円となった。
②信用保証による資金繰り対策
令和2年7月豪雨により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、山形県、長野県、岐阜県、島根県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県及び鹿児島県の一部地域において、一般保証とは別枠のセーフティネット保証4号及び災害関係保証を引き続き実施した。
③ 政府関係金融機関の運営に必要な経費(マル経融資の貸付限度額・金利引下げ措置の拡充【財政投融資】)
令和2年7月豪雨により直接又は間接的に被害を受けた小規模事業者に対し、無担保・無保証人で利用できる(株)日本政策金融公庫によるマル経融資の貸付限度の拡充や金利の引下げを実施した(令和2年7月豪雨型の2022 年1月末時点の実績は、6件、0.3 億円)。
(2) 工場等の復旧への支援
① なりわい再建支援事業(275億円72百万円(2020年度予備費)、30億円(2020年度第3次補正))(46億18百万円(2021年度補正))
令和2年7月豪雨に係る被災地域の経済・雇用の早期回復を図るため、各県が作成する復興事業計画に基づき、計画実施に必要な施設・設備の復旧に掛かる費用に対して、主に国が2分の1、県が4分の1を補助し、被災した中小企業等の施設の復旧等に対して支援を行った。
(3) 事業再建に向けた支援
① 被災小規模事業者再建事業(持続化補助金)による事業再建支援(113億54百万円(2020年度予備費)、11億38百万円(2020年度第3次補正))
令和2年7月豪雨により直接又は間接的に被害を受けた小規模事業者が事業再建に関する新たな経営計画を早期に作成する際、その計画に沿って取り組む販路開拓等の経費の一部を支援した(2022 年2月末時点採択件数:970 件)。

(令和3年福島県沖地震に係るものづくり基盤技術振興対策)
(1)工場等の復旧への支援
① 中小企業等グループ補助金(31億13百万円(2020年度予備費)、51億33百万円(2021年度補正)
令和3年福島県沖地震に係る被災地域(岩手県、宮城県、福島県)の復旧及び復興を促進するため、複数の中小企業等から構成されるグループが復興事業計画を作成し、地域経済や雇用維持に重要な役割を果たすものとして県から認定を受けた場合に、計画実施に必要な施設・設備の復旧に掛かる費用に対して、国が2分の1、県が4分の1の補助を実施し、被災した中小企業等のグループの施設の復旧等に対して支援を行った。

(新型コロナウイルス感染症に係るものづくり基盤技術振興対策)
(1) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業況悪化からの再建・再生に向けた資金繰り支援
①政府関係金融機関による資金繰り支援(財政投融資)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により業況が悪化している中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、(株)日本政策金融公庫及び(株)商工組合中央金庫において、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」及び「新型コロナ対策資本性劣後ローン」等を実施した。2020 年1月末に新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口を設置して以降、2022 年3月末までの新型コロナウイルス感染症関連の融資実績は、約104 万件、約20 兆円となった。また、特に業況が悪化している中小企業・小規模事業者を対象に、(独)中小企業基盤整備機構を通じて、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」等における貸付金利の当初3年間の実質無利子化の措置を講じた。
②信用保証による資金繰り対策
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、47都道府県を対象地域として一般保証とは別枠のセーフティネット保証4号及び危機関連保証を引き続き実施した。
③ 政府関係金融機関の運営に必要な経費(マル経融資の貸付限度額・金利引下げ措置の拡充【財政投融資】)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた小規模事業者に対し、無担保・無保証人で利用できる(株)日本政策金融公庫によるマル経融資の貸付限度の拡充や金利の引下げを実施した(新型コロナウイルス型の2022 年1月末時点の実績は、45,464 件、2,449.3 億円)。

(2)サプライチェーン改革
① サプライチェーンの強靱化に向けた取組
(2,200 億円(2020 年度第1次補正)、860 億円(予備費)、2,108 億円(同年度第3次補正))
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、生産拠点の集中度が高い製品・部素材又は国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材に関し、国内の生産拠点等の整備を進めることにより、製品・部素材の円滑な供給を確保するなど、サプライチェーンの強靱化を図ることを目的とし、設備の導入等を引き続き支援した。
② 海外サプライチェーン多元化等支援(235 億円(2020 年度第1次補正)、116 億70 百万円(同年度第3次補正))
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、生産拠点の集中度が高い製品・部素材や、国民が健康な生活を営む上で必要な物資について、日本企業の海外生産拠点の多元化を支援することとした。2020 年以降は4回の公募を行い、計92 件を採択した。

(出典)経済産業省 2022年版ものづくり白書
 ・https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html

(つづく)Y.H