ISO情報

新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その28)

第6章 ISOを知ろう

第5章ではマネジメントシステムとはどのようなものであるかを学びました。そしてISOが世の中で最も知られ、そして活用されているマネジメントシステムのひな形文書を発行していることと、マネジメントシステム規格=ISOが間違いであることも認識できたと思います。
第6章では、そのISOが発行した世の中で最も知られるようになったマネジメントシステム規格の文書内容についての概要を学んでいきましょう。

6.1 ISOは民間組織

規格の詳細に入る前に、ISOという団体についての説明を少々しておきましょう。
ISOは、International Organization for Standardization の略称で、日本語では「国際標準化機構」と訳されています。ISOの起源は、第2次世界大戦後の1946年にロンドンで開催された連合国18カ国の会議に遡ります。ISOはその前身であるISA(万国規格統一協会:1926年設立)の業務を継続するべく新しい機関として設立されました。
ISOは、「国際的交流を容易にし、経済的活動分野の協力を発展させるために世界的な標準化を図ること」を目的に、次の目標を定めています。

 ・(輸入される)製品の安全を保証する。
 ・高品質な製品を作る。
 ・製品の互換性を確保する。

ISOには、2019年3月末現在、163カ国が加盟しています。ISOへの参加資格は各国の標準化団体一機関に限られ、日本はJIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)を審議しているJISC(日本工業標準調査会:事務局経済産業省)が加盟し、現在、米国、イギリス、フランス、ロシア、ドイツと並んで常任理事国となっています。同様な国際標準化機関としては、1906年に創設された電気分野の国際標準を進める国際電気標準会議(IEC:International Electronic Commission)があり、電気電子分野の会社の方であれば、ISOだけでなく、IECという組織名、そしてIEC発行規格に業務上触れていくことがあろうかと思いますので、記憶にとどめるようにしましょう。

ISOは、スイス民法第60条に基づくスイス国の法人で非政府機関です。
非政府機関、つまり一民間団体なのです。ここも実はあまり知られていない、あるいは誤解されているところですので、注意しましょう。
過去、日本では、ISOは国連機関でないからあまり重要でないという認識がありました。しかし、ISOは、数多くの国際連合及び関係の国連専門機関の諮問的地位をもっています。例えば、1995年に発効したWTO(世界貿易機関)/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)の第5条(中央政府機関による認証手続き)は、加盟国が行う技術的規制または任意規格に対する認証手続について、国際標準化機関(ISOやIECなど)の定める指針や勧告を基礎として使用することを義務付けています。

WTOは、世界の自由貿易体制を守るために日本にとっては重要な国連専門機関のひとつです。この先国際情勢に気を配っていると、関税問題などで国際貿易上二国間等で対立が起きた時にWTOに提訴する、あるいは提訴を検討する、という報道に接することが出てくるはずです。そこででてくるWTOです。ISOが国際標準化機関として、WTOの公式オブザーバーに入っていることは、ここで発行される国際規格に重要な意味を与えています。

そしてこのISOの活動の成果の多くは規格という形で結実し、文書が発行されています。ISOのホームページから英語の文書にはなりますが、誰でも購入することができます。PDF版であれば瞬時にクレジットカード払いであれば瞬時に購入することができます。

(次号へつづく)