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新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その3)

1.1 船長は自分

学生時代に下宿をされていた方であれば違いますが、親元から学校に通っていた方は、掃除、洗濯、炊事等に時間を取られることなく、学校で授業を受ける時間以外はすべて自分の時間、と言ってもよいくらいに自由な時間が多かったはずです。ところが社会人になると、その状況が激変します。最低でも週に40時間は会社で仕事をし、残業を命じられれば、職種によっては週に80時間も仕事をしている、という激務をこなしている方も既に出ているでしょう。

仕事自体は上司からの指示命令に基づいて行うケースがほとんどでしょうが、その与えられた仕事をどのように仕上げていくかは基本、自分で考え、その成果については自分で責任を負わなければなりません。それが社会人として認められていく第一歩です。入社1年目はまだ上司から様々な指示を受けて、その通りに仕事をしていくことも求められるケースは殆どではないかと思います。独立して個人事業主になれば別ですが、組織の一員として働く以上は、そのような役割を担うことも非常に重要です。組織の中での自分の立ち位置を理解する、自分の役割を理解する、ということなのです。

「守破離」という言葉を聞いたことがありますか。
なかなか耳にする、目にする言葉ではないかと思いますが、覚えておくと非常にためになる言葉ですので、少し説明を加えましょう。
辞書を引くと、以下のように語釈が示されています(デジタル大辞泉より)

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   剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。
   「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
   「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
   「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

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武道や茶道の世界と社会人としての仕事では当然違いはありますが、この心構えは社会人としてとても活用価値があるものです。そして新入社員の皆さんは、まさにこの守破離における「守」のステージを乗り切ることが求められていると共に期待されているのです。
ただし、仕事に関してかなり細かい部分についても上司から指示を受けたとしても、仕事を成し遂げるのはあなた自身であることを忘れてはいけません。一国一城の主とは少々違いますが、小さいながらも小舟の船頭さんとしての活動、そして心構えを持つことが期待されているのです。はじめのうちはうまく前に進まないかもしれません。波にのまれて転覆するかもしれません。ですが、船頭であるということを忘れずに、どうすればうまく漕ぐことができるようになるか。はじめは船を漕ぐだけで精一杯であったとしても、そのうち荷物を載せても漕ぐことができるようになるでしょう。更に熟達すれば人を乗せて漕ぐこともできるようになるでしょう。更に熟達すれば、短い穏やかな場所だけでなく、遠い場所あるいは往来の激しいような場所にまで乗り出してこい、という指示を受けるようになります。小さな舟であっても船長としての気概を常に持って日々の仕事を着実にこなしていくことによってあなたの実力はどんどん増していくと共に信用もついてきます。一歩一歩を焦ることなく着実にこなしていくことが何よりも大事なのです。

(次号へつづく)