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社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その8)

第2章 会社とは何か

第1章の最後で、自分が勤める会社のことを知る、そして自分の会社が抱えるお客様について知ることが仕事をしていく上での基本、というお話をしました。
第2章では、もう少し大きな枠組みで、そもそも会社とは何か、ということについて学んでいきましょう。

2.1 社会の公器

社会の公器、という言葉を聞いたことがありますか。
会社は利益を上げるために存在している、という考え方はお聞きになったことがあると思います。良い悪い、という問題ではなく、会社は抱えている社員にお給料を支払い、その上で存続していくことが必須です。そのためには赤字では困るわけで、きちんと利益を上げることから目をそむけてはいけません。
しかし、仕事をする目的がお金だけになってしまうと、企業経営は必ずと言ってよいほどおかしな方向に進んでいってしまいます。企業の不祥事として時々大きく報道されることがあります。贈収賄事件はいつの時代も世間を騒がせます。資本主義経済と言われる現代社会においては、これらの問題が完全にゼロになる、ということはまずないでしょう。そのような中で、私たちが常に意識しておかなければならないことは、企業活動は利益の追求のためだけにあるわけではない、という点です。
利益も追求しますが、それと同時に大事なことは公益性を考え、世のため人のためになる事業か、という視点、意識です。

松下幸之助氏の著書の中に素晴らしい一節がありますので、以下に引用したいと思います。

 

一般に、企業の目的は利益の追求にあるとする見方がある。利益についての考え方は別のところで述べるが、確かに利益というものは、健全な事業活動を行なっていく上で欠かすことのできない大切なものである。

しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本は、その事業を通じて共同生活の向上をはかるというところにあるのであって、その根本の使命をよりよく遂行していく上で、利益というものが大切になってくるのであり、そこのところを取り違えてはならない。

そういう意味において、事業経営というものは本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。

実践経営哲学(PHPビジネス新書)より引用(P.39~P.40)

会社の存続のためには利益は必ず必要です。その利益によって将来の会社の事業を作り出していかなければなりません。更に利益が出るからこそ、国に税金を納めることができます。税金が集まらなければ国家という基盤の維持も困難になってしまうのです。その理解をすることによって、自分たちが会社という枠組みを通じて何をしていけばよいかが今の段階から見えてくれば素晴らしいことです。
社会の公器という概念があることを是非覚えておいてください。

(次号へつづく)