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ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール(第11回)

平林良人「ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール」(2005年)アーカイブ 第11回

Business Performance Improvement Review (BPIR)

活用方法

要素 コメント
ISO 9001との関連 MR RM PR M&A Imp
活用範囲 あらゆるタイプの組織、世界的
製造とサービスの両方
部門、及び/又は組織
システムにおける変化の度合い
人々に関する変化の度合い
利益レベル
参加レベル 完全に推進母体として
成熟レベル 初心者、経験者、世界レベルの者
時間尺度 6~12ヶ月
投資レベル
実施方法 プロジェクト

背景

Business Performance Improvement Review (BPIR)は、パフォーマンス改善のための指針、ISO 9004:2000の原則に基づきます。BPIRの評価要素はBSIマネジメントシステムが提供する独特なものです。

BPIRは組織の方針、戦略そして目標を通じて、どのように組織が利害関係者のニーズを優先順位付けし、それに応じるかを特定する枠組みを提供します。

組織は、次のようなことを明確に理解して改善主導権をとることで、異なった要求を優先順位付けさせることができます。

  • 組織の利害関係者は誰か
  • 様々な利害関係者に対するニーズと期待

BPIRの実施で次のような利益が得られます。

  • 事業業績を改善する機会に焦点が当たる。
  • バランスの取れた事業改善へアプローチ。
  • 利害関係者の要求を監視し、最優先させる。
  • 改善すべき必要な資源に焦点が当たる。
  • 既存の事業マネジメントシステムが改善される。

原則

BPIRの目的は、組織がISO 9001:2000の要求事項を超えて、ISO 9004:2000に基づいた原則を具体化する程度を評価することです。顧客だけではなく利害関係者の要求も含め、特定の事業のニーズに焦点を当てることに、この情報を使います。

ISO 9001:2000は、顧客重視に焦点を当てています。マネジメントシステムの適用を通じて、顧客要求事項を顧客満足に変えています。

ISO 9001:2000顧客要求事項と期待
顧客要求に焦点を合わせる。(図省略)

組織には顧客のほかにもっと広く影響を与える者がいます。それは「利害関係者」で、次の者を含んでいます。

  • 顧客
  • 組織の人々
  • 所有者//株主
  • 社会
  • 供給者
  • その他すべての関係者

ISO 9004:2000は、組織はすべての利害関係者を配慮すること、を奨励しています。

パフォーマンス改善のためのISO 9004:2000ガイドライン
すべての利害関係者のニーズ(図省略)

しかし、絶えずすべての利害関係者のニーズを管理しようとするのは、不可能であり非現実的です。BPIRを活用する見直しにおいては、組織が利益を最大にするために、利害関係者のニーズを優先順位付けすることを推奨しています。

BSIのBPIR

適切な利害関係者のニーズを重視(図省略)

アプローチ

見直しは2つの段階で行われます。最初は、利害関係者への組織の戦略的アプローチと、マネジメントの原則を見ます。2番目には、それに対応する運用上のアプローチを確かめます。(図省略)

見直しは、次のようなパフォーマンス改善に貢献する活動を評価することになります。

  • 独自性を発揮する方法、ニーズの優先順位付け、そして利害関係者の期待
  • 利害関係者のニーズと期待に応えるべく設計されたアプローチの有効性

組織は、この見直しをすることで、進行中の改善イニシアチブの展開と達成状況について、その水準を知ることができます。

そして、組織は様々な利害関係者のニーズと、ISO 9004規格の原則を比較してそのバランスを見ます。