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ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール(第17回)

平林良人「ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール」(2005年)アーカイブ 第17回

改善チーム

活用方法

要素 コメント
ISO 9001との関連 MR RM PR M&A Imp
活用範囲 あらゆるタイプの組織
製造とサービスの両方、しかし最も成功を収めてきたのは製造
機能部門を含めて
システムにおける変化の度合い
人々に関する変化の度合い
利益レベル
参加レベル 完全に推進母体として
成熟レベル 経験者又は世界レベルの者
時間尺度 3ヶ月以内
投資レベル 安い
実施方法 プロジェクト

背景

多くの組織はその文化を変えパフォーマンスを向上させるために、改善、又は継続的改善を活用してきました。改善を採用している組織は、有効なコミュニケーション、広範囲の集団的活動、事実とプロセスへ焦点を当てることで、毎日少しずつ前へ進むでしょう。

改善チームの考えは、ジャスト・イン・タイムやリーン・エンジニアリングのような、他の日本式アプローチに裏付けされて非常に広まりました。ここで説明するアプローチは、Association of Manufacturing Excellence(AME)によって開発されたもので、「Kaizen Blitz」と呼ばれているものです。

このアプローチの利点は次のようなものです。

  • 1週間で段取り時間90%短縮
  • 4日で20-60%生産性向上
  • 数日のみで在庫半減
  • 40-80%の加工時間短縮
  • 40-90%の動作距離短縮

原則

  • Kaizen Blitzは実行であって、提案ではありません。これは、品質管理サークルのような従来の改善アプローチとは異なります。
  • ともに手を汚す。すべてのチームメンバーが参加する実践的プロセスです。
  • Kaizen Blitzは少予算のプロセスです。典型的な予算は300-400ドル位でしょう。プロジェクトの実行が5日間では、設備投資をする時間はありません。
  • 長期的にみると単純なものだけが動作します。複雑な解決策は維持することが難しく、監視することはより困難です。

Kaizen Blitzプロジェクトの中には、次のような多くのルールがあります。

  • 心を開く。
  • 積極的姿勢を維持する。
  • 言い訳をしない-解決をする。
  • なぜ?なぜ?と尋ねる-質問にくだらないものはない。
  • 行動する-完璧を求めず、手元にある資源で今実行する。
  • 全員の知恵を使う。
  • ランク付けしない-皆平等である。
  • 今それを実行する!

アプローチ

Kaizen Blitzは、TQM及び世界クラスの製造業における他のプログラム上に構築します。一旦継続的改善の基本ができると、パフォーマンスにおけるステップ変更の必要性がありますが、それは自然のステップです。このアプローチは重点志向の高いものです。ステップ変更は、ある限定した範囲の領域(工場ではなく職場か班)で行なわれます。

典型的なプロジェクトでは、組織横断形の多階層チーム6-12人が3-4日間、1日12-14時間活動します。彼らは急速に問題解決の方策を展開し、テストし、磨き上げ、その領域に新しいプロセスを残していきます。彼らの活動のキーは、計画せず、提案せず、自ら実行するということです。

Kaizen Blitzingは、プロセスオーナーから始まるトップダウンのプロセスです。プロセスオーナーにはどんな階層の人でも、男でも女でもなりえます。それはチームを作って取り組んでいる、課題領域の中核スタッフとのチームプロセスです。チームはプロジェクトの最初に集められ、概念とツールについて教育されます。Kaizen専門家は訓練を行い、プロセスを容易なものにします。