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内部監査の実践(その48)

前回から、A社【計測器類管理標準 KQM117】に基づいた「二八(にっぱち)監査」※を採用したナラティブ内部監査例を説明しています。

※ 二八(にっぱち)監査:ナラティブ内部監査の一方式で、内部監査員は2割の時間を使って聞く、被監査者は8割の時間を使って答える監査方式。正式には「被監査者による適合証明監査」と呼び、被監査者が「自分の仕事がルールに適合していることをエビデンスによって証明する」監査方式をいう。二八とは、内部監査員は2割くらいの時間しか質問に使わず、残り8割の時間は被監査者が適合性証明のために使うことからこう呼んでいる。

≪前回まで≫

  • (被監査者)
  • 「二八(にっぱち)監査」は初めてでしたが、効果的ですね。何といってもこの仕事を一番よく知っているのは私です。私が本当のことを隠さずお話しし、内部監査員の方が第三者の立場で裏付けを取っていただくことは従来に比べて、相当効果のあることだと思います。
    • 被監査者自身が仕事の見直しをすることになる。
    • 記録などのエビデンスを確認することになる。
    • 記録から事実を見つけられる。
    • 被監査者にも思い違いはあると思うが、それは内部監査員が指摘してくれる。
    • 問題解決のチームを作れることができる(これからではあるが)。

≪今回≫

  • (内部監査員)
  • そうです。私もこれまで3回「二八(にっぱち)監査」を行いましたが、内部監査員がチェックリストを片手に質問をするという従来の監査とは全く違います。我々が内部監査に使える時間は限られていますので、限られた時間を仕事の改善、効率化に使うことが重要な視点であると考えます。
  • ここにパワーポイントを用意しました。従来の内部監査と「二八(にっぱち)監査」の比較をしたものです。
  • (被監査者)
  • 全社の計測器を管理している立場からは、次のことに改善が図れれば会社の製品の品質信頼性の向上に大きく貢献すると思います。
    1. 台帳管理すべき計測器の廃棄、購入についてのルールが守られる。
    2. 計測器を使用している職場に整理整頓が有効に行える。
    3. 機器の校正管理を有効なものにする。
  • 問題解決チームの結成に期待しています。

(おわり)