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ナラティブ内部監査の実践例2 (その11)

ナラティブ内部監査の実践例2として、「困りごと検出方式」の説明をしています。

最初は、被監査者にとっての困りごとの一般的な例を掲げてみましたが、具体的な事例の方が分かり易いので、その後から、一つひとつ実践に際してのポイントについて話しを進めています。

4.一つひとつ実践に際してのポイント
(8) 目標を与えられても方法が分からない。
組織では年度事業計画を作成します。トップの作成した年度計画にはいろいろな目標が入っています。これらの目標は、部から課、課から係、そしてグループ或いは個人へと展開されます。

  • ポイント1:上から下への目標の展開
  • トップの掲げた組織全体の目標は、組織の役割分担に基づいて部門に展開される。その時に、それぞれの部長は、トップの目標に対して「how to do」と自問自答して自部門の目標を決める。
    部長の目標を課に展開するときにも、同様に課長は、部目標に対して「how to do」と自問自答して課の目標を決める。このようにして、グループ或いは個人にまでトップの目標は展開されていく。
  • ポイント2: 下から上への目標の確認
  • グループ或いは個人にまで展開された目標に対して、グループ或いは個人は「why?」と自問自答するとよい。このwhyの意味は、どうしてこの仕事をするのですか?と疑問を自分に投げかけてみる意味である。そして「because、○○です」と答えられたら上下間の目標の展開は適切に行えていることになる。当然のことであるが、「because、○○です」の○○が適切な答えになっていることが必要である。
  • ポイント3:目標を決める時には手段・方法を決めること
  • 上司と部下の間で目標について検討するとき、お互いに目標を達成するための手段、方法を協議し、共有化することが大切である。組織においてよく見かけることであるが、上司が目標を与えて、手段、方法は部下に丸投げすることをよく見かけるが、これは避けなければならない。目標だけの提示は絵に描いた餅になってしまう。
  • ポイント4:目標を決める時には途中でのチェック項目を決めておくこと
  • 部下と上司が共有化して事の一つに、活動の途中でのチェック時期がある。目標達成の活動の途中ですり合わせする時期を計画時点で共有化しておくことがよい。

(つづく)