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ナラティブ内部監査の実践例2 (その4)

ナラティブ内部監査の実践例2として、「困りごと抽出監査」の説明をしています。

前回は、被監査者にとっての困りごとの一般的な例を掲げてみました。
今回からは、一つひとつ実践に際してのポイントについて話しを進めていきたいと思います。

4.一つひとつ実践に際してのポイント
(1) 人が足りない。
 私の経験から、内部監査において困りごととして上げられる最も多いものは、「人が足りない」というものです。

  • ポイント1:仕事の分析
  • 分析というと難しく聞こえますが、内部監査で対象となっている「仕事の内容が明確になっているか」ということを意味しています。
  • ポイント2:仕事に掛ける時間
  • 仕事はやる深さによって掛かる時間が変わります。よく「丁寧にやる」「雑にやる」という言い方をしますが、仕事のアウトプット(結果)の姿を決めておかないと、掛ける時間も決まりません。
  • ポイント3:行う人の力量
  • 仕事のアウトプット(結果)の姿が決まっても、行う人の力量で掛かる時間は変わってきます。
    力量は一般にスキルともいわれますが、スキルは、やり方を知っている、やることが出来る、集中することが出来る、などが重要な要素です。
  • ポイント4:あそび(余裕度)
  • 自動車のハンドルを握ると「あそび」と呼ばれる自由に動く(車輪に連動していない)角度が必ずあります。仕事にも余裕度が必要です。筆者の経験からは10%から20%位ではないかと思います。単純作業の自由度は少なく、複雑な仕事になるほど自由度は多くなるのが普通です。
  • ポイント5:ワークサンプリング
  • 作業時間測定の手法の一つです。
    主として、作業を観察して、標準時間の設定を行う方法です。作業内容の観測時刻をランダム(無作為)に設定し、その時刻にどのような内容の作業を行っているのかを観測して作業時間を求めます。

(つづく)