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品質不祥事(その6):品質不祥事の症状と対応

品質不祥事は組織の中に長年くすぶり続け、組織の中で何が起きているのかなかなか分かりません。品質不祥事の症状とそれへの対応についてまとめると以下のようになります。

1.症状

  • ① 捏造:存在しないデータを作成すること。
  • ② 改ざん:データを変造、偽造すること。
  • ③ 偽装:データ以外で、事実に反してそれが本当であるかのように偽ること。
  • ④ 隠ぺい: 真相などを故意覆い隠すこと。
  • ⑤ 法令違反:法律に反すること。 

2.対応

  • ① 捏造:存在しないデータを作成すること。
    • <経営>
    • ・リーダーシップ、統制力あるトップが就任する。
    • ・捏造を許す組織風土を根絶する。
    • <品質管理>
    • ・捏造の仕組み解明とそこに至った経緯を分析する。
    • ・正しい特性値と捏造され特性値のGAPを分析する。
    • ・要求される特性値と工程能力を分析する。
    • ・全社に品質管理教育を実施する。
  • ② 改ざん:データを変造、偽造すること。
    • <経営>
    • ・リーダーシップ、統制力あるトップが就任する。
    • ・改ざんを許す組織風土を根絶する。
    • <品質管理>
    • ・改ざんの仕組み解明とそこに至った経緯を分析する。
    • ・改ざんしなければならない要因を排除する。
    • ・全社に日常管理を徹底する。
    • ・全社に品質管理教育を実施する。
  • ③ 偽装:データ以外で、事実に反してそれが本当であるかのように偽ること。
    • <経営>
    • ・リーダーシップ、統制力あるトップが就任する。
    • ・偽装を許す組織風土を根絶する。
    • <品質管理>
    • ・偽装をせざるを得なかったプロセスを分析する。
    • ・偽装の要因を解明し原因を除去する。
    • ・全社に日常管理を徹底する。
    • ・全社に品質管理教育を実施する。
  • ④ 隠ぺい:真相などを故意覆い隠すこと。
    • <経営>
    • ・リーダーシップ、統制力あるトップが就任する。
    • ・隠ぺいを許す組織風土を根絶する。
    • <品質管理>
    • ・隠ぺいせざるを得なかったプロセスを分析する。
    • ・隠ぺいの要因を解明し原因を除去する。
    • ・全社に日常管理を徹底する。
    • ・全社に品質管理教育を実施する。
  • ⑤ 法令違反:法律に反すること
    • <経営>
    • ・リーダーシップ、統制力あるトップが就任する。
    • ・法律違反を許す組織風土を根絶する。
    • <品質管理>
    • ・法律違反をせざるを得なかったプロセスを分析する。
    • ・法律違反の要因を解明し原因を除去する。
    • ・全社に日常管理を徹底する。
    • ・全社に品質管理教育を実施する。

(つづく)