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2000年版対応 ISO 9000品質マニュアルの作り方(第33回)

平林良人「2000年版対応 ISO 9000品質マニュアルの作り方」アーカイブ 第33回

◆このシリーズでは平林良人の今までの著作(共著を含む)のアーカイブをお届けします。今回は「2000年版対応ISO9000品質マニュアルの作り方」です。

サービス業の品質マニュアル
(金融業)
(JIS Q 9001/ISO 9001:2000)
平成金融株式会社
新橋支店

発行日 2001年2月1日 承認 作成
制定日 2001年2月1日 支店長 総務課長
文書番号 HE-Q-01

目次
表紙

  1. 投稿の概要  1,2
  2. 適用範囲  3
  3. 改訂歴  3
  4. 品質マネジメントシステム  4
    • 4.1 当支店品質マネジメントシステムの概要 4
    • 4.2 当支店の文書化  5
      • 4.2.1 文書管理  5
      • 4.2.2 記録の管理  6
  5. 経営者の責任  8
    • 5.1 支店長の決意
    • 5.2 顧客重視の取り組み  8
    • 5.3 品質方針  8
    • 5.4 計画  9
      • 5.4.1 品質目標  9
      • 5.4.2 品質マネジメントシステムの計画  9
    • 5.5 管理  10
      • 5.5.1 責任及び権限一般  10
      • 5.5.2 管理責任者  11
      • 5.5.3 内部コミュニケーション  11
  6. 資源の運用管理 13
    • 6.1 人材配置計画  13
    • 6.2 教育訓練  13
    • 6.3 インフラストラクチャー  14
    • 6.4 作業環境  14
  7. サービスの実現 15
    • 7.1 サービスの実現計画  15
    • 7.2 顧客関連のプロセス  15
      • 7.2.1 顧客要求事項の明確化  15
      • 7.2.2 サービスに関連する要求事項のレビュー  15
      • 7.2.3 顧客とのコミュニケーション  16
    • 7.3 設計・開発  16
    • 7.4 購買  16
      • 7.4.1 購買プロセス  16
      • 7.4.2 購買情報  16
      • 7.4.3 購買製品の検証  17
    • 7.5 サービスの提供  17
      • 7.5.1 サービス提供の管理  17
      • 7.5.2 サービス提供に関するプロセスの妥当性確認  18
      • 7.5.3 識別及びトレーサビリティ  18
      • 7.5.4 顧客の所有物  19
      • 7.5.5 製品の保存  19
    • 7.6 監視機器及び測定機器の管理  19
    • 7.7 不適切サービスの管理  20
    • 7.8 サービスの監視及び測定  21
  8. 測定,分析及び改善  22
    • 8.1 計画  22
    • 8.2 監視及び測定  22
      • 8.2.1 顧客満足  22
      • 8.2.2 内部監査  22
      • 8.2.3 プロセスの監視及び測定 23
    • 8.3 データの分析  24
    • 8.4 改善  24
      • 8.4.1 継続的改善の計画  24
      • 8.4.2 是正処置  24
      • 8.4.3 予防処置  25
    • 8.5 マネジメントレビュー  25
      • 8.5.1 一般  25
      • 8.5.2 マネジメントレビューのインプット  26
      • 8.5.3 マネジメントレビューからのアウトプット  26

付図1
付録 帳票の様式

  1. 投稿の概要
    • 名称   :平成金融株式会社 新橋支店
    • 所在地  :〒368-0044 東京都港区新橋△-○-△
    • 代表者名 :井上克巳
    • 行員数  :支店長1名,副支店長1名,その他行員68名
    • 創立   :1959年

  2. 適用範囲
    • 賞品及びサービス : 各種預金,各種融資,為替,その他サービス(貸し金庫,夜間金庫)
      適用除外:JIS Q 9001/ISO9001:2000規格の要求事項から7.3項を除外して適用する。除外する理由は次の通りである。
      (理由)投稿の支店には,新商品を設定・開発する機能は持っておらず,7.3項に規定されていることは実施しない。新商品の取扱いはするが,その設計品質に関する責任はすべて当校本店にあり,当支店にはない。

  3. 改訂歴
    • 1版 2001年2月1日 初版配布

  4. 品質マネジメントシステム
    • 4.1 当支店品質マネジメントシステムの概要
    • 支店長は,JIS Q 9001/ISO9001:2000 規格の要求事項に従って,品質マネジメントシステム(以下QMSと呼称)を確立し,実行し,維持する。
    • 支店長は,QMSを効果的に運営,維持し,継続的改善を目指すため,当行の経営理念に基づき,品質方針及び品質目標を設定し,行員全員の参画による方針の展開及び目標管理を図る。
    • 管理責任者(副支店長,5.5.2項参照)は,QMSを運営する上で必要な手順,計画,指示,報告及び業務活動の結果を示す記録を文書化し,維持する。
    • 管理責任者は,QMSを構築するために以下のことを行う。
      • 1) QMSに必要なプロセスを明確にし,それらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。
        明確にしたプロセスの順序及び相互関係は付図1に示す。
      • 2) プロセスに必要な判断基準及び方法を明確にする。
      • 基準及び方法は次の規定書に示す。
        • ・教育訓練規定 T-04
        • ・設備管理規定 T-05
        • ・契約管理規定 T-06
        • ・業務管理規定 T-07
        • ・購買管理規定 T-08
        • ・顧客セキュリティ規定 T-09
        • ・顧客セキュリティ規定 T-10
        • ・現金等取扱保管規定 T-11
        • ・融資先審査規定 T-12
        • ・システム管理規定 T-13
        • ・内部監査実施規定 T-14
        • ・交差規定 T-15
        • ・顧客相談管理規定 T-16
        • ・不適切サービス管理規定 T-17
        • ・是正・予防処置規定 T-18
        • ・マネジメントレビュー規定 T-19
          (4.2.1項参照のこと)

      • 3)プロセスの効果的運用及び監視を支援するために,必要な資源及び情報を利用できるようにする.資源については6.1項,情報については5.5.3項,7.1項,8.1項に具体的に述べる。
      • 4)これらのプロセスの監視,測定及び分析をする.8.2.3項に具体的に述べる。
      • 5)計画した結果及び継続的改善を達成するために,必要な処置を講じる.8.5.1項に具体的に述べる。
    • 支店長は,以上の1)で明確にしたQMSプロセスを,JISQ9001/ISO9001:2000規格の要求事項に従って運営管理していく。運営管理の具体的なやり方は,4.2項以下に述べる。
      管理責任者は,1)で明確にしたQMSプロセスをアウトソースすることはしない。
    • 4.2 当支店の文書化
      総務課長は,QMSの効果的な運用及び管理を行うため,次の文書の運営管理をする。
      • 1)この品質マニュアル5.3項の品質方針,5.4.1項の品質目標
      • 2)この品質マニュアル
      • 3)この品質マニュアル4.2.1項表-1に示す規定書
      • 4)この品質マニュアル4.2.1項表-1に示す当行が必要と判断した文書
      • 5)この品質マニュアル4.2.2項表-2に示す記録
    • 4.2.1文書管理
    • 当支店におけるQMSを構成する文書及び記録の構成は下図の通りである。
      支店長は,QMSを構成する文書を表-1のように定める。次の事を確実に行うために,文書管理についての手順を「文書管理規定T-02」に規定する。
    • 1)文書の承認          3)文書識別管理
      2)文書の見直し,更新,再承認  4)最新版文書の利用
    • Q 品質マニュアル:QMSを包括的に記述した最高位の規程文書,支店長が承認する。
      T 規定:すべての部門が,業務の実施に当たって守るべき手順を定めた,当行共通文書.支店長が承認する。
      S 作業標準:貯蓄預金,ローン・融資,年金相談,為替業務,証券信託代理,投資信託,融資先審査,資金運用などの単位作業ごとに定めた業務作業要領,各部門ごとに課長が承認する。
      G 外部文書:当支店が管理すべて外部発行の文書。
      K 記録:4.2.2記録の管理の項で定め当行保管記録。
    • 5)文書の読みやすさ
    • 6)外部文書管理
    • 7)廃止文書管理
    • 分類 文書名 管理番号 承認者 起案者
      Q 品質マニュアル Q-01 支店長 総務課長
      T 組織規定 T-01 支店長 副支店長
      文書管理規定 T-02 支店長 総務課長
      品質記録取扱規定 T-03 支店長 総務課長
      教育訓練規定 T-04 支店長 総務課長
      設備管理規定 T-05 支店長 総務課長
      契約管理規定 T-06 支店長 副支店長
      業務管理規定 T-07 支店長 副支店長
      購買管理規定 T-08 支店長 総務課長
      顧客管理規定 T-09 支店長 渉外課長
      顧客セキュリティ管理規定 T-10 支店長 窓口業務課長
      現金等取扱保管規定 T-11 支店長 窓口業務課長
      融資先審査規定 T-12 支店長 融資課長
      システム管理規定 T-13 支店長 総務課長
      内部監査実施規定 T-1 支店長 副支店長
      考査規定 T-15 支店長 副支店長
      顧客相談管理規定 T-16 支店長 副支店長
      不適切サービス管理規定 T-17 支店長 副支店長
      是正・予防処置規定 T-18 支店長 副支店長
      マネジメントレビュー規定 T-19 支店長 副支店長
      S 作業標準 S-○○ 各課長 係長
      G 外部文書 G-○○ 各課長 係長
    • 作業標準の管理番号S-○○は「文書管理規定T-02」に定める。
    • 4.2.2 記録の管理
    • 支店長は,QMSの効果的運用の証拠としての記録の管理について,次の事を確実に行うために,手順を「品質記録取扱規定T-03」に規定する。
      • 1)検索しやすい保管
      • 2)記録の損傷・劣化及び紛失の防止
      • 3)定期的見直し,不要な記録の廃棄
      • 4)鉛筆記入及び修正液等による訂正の禁止
      • 5)その他
    • 当支店で作成,保管する記録(作成並びに保管責任者,保管期間)は表-2の通りである。
    • 表 ― 2 記録一覧窓口業務課
      分類 文書名 管理番号 作成並びに保管責任者 保管期間
      K マネジメントレビューの記録 K-01 管理責任者 10年
      品質目標記録 K-02 各課長/総務課 10年
      品質マネジメントシステム計画記録 K-03 管理責任者/総務課長 10年
      資格認定記録 K-23 各課長/総務課 10年
      教育訓練記録 K-04 各課長/総務課長 10年
      新商品売上記録 K-05 窓口業務課 10年
      融資記録 K-06 融資課 永久
      取引先評価記録 K-07 総務課 10年
      購買注文票 K-08 総務課 10年
      顧客コードナンバー表 K-09 各課長/総務課 永久
      賞品コードナンバー表 K-10 各課長/総務課 永久
      窓口業務記録 K-11 窓口業務課 10年
      紙幣管理記録 K-12 窓口業務課 永久
      顧客セキュリティ記録 K-13 融資課 永久
      校正記録 K-14 窓口業務課 10年
      内部監査記録 K-15 各課長/総務課 10年
      考査記録 K-16 窓口業務課 永久
      顧客相談記録 K-17 窓口業務課 10年
      是正・予防処置記録 K-18 各課長/総務課 10年
      ISO委員会議事録 K-19 管理責任者 10年
      契約書 K-20 総務課 永久
      日常点検シート K-21 各課長/総務課 10年
      品質計画書 K-22 管理責任者 10年